十大学合同セミナー・AFPWAAワークショップ

課題「記憶に留めておく一枚の報道写真」

AFP World Academic Archive(AFPWAA)は、フランスのAFP通信が配信している報道写真、
ビデオ映像などのデータベースを日本の教育機関に提供しているサービスです。

「AFPWAA」 は十大学合同セミナーに協賛し、2018年度よりワークショップ を開催しています。

ワークショップに参加した大学生は、5セクションのテーマに沿ってに沿って報道写真を選び、日本語のタイトルと解説文をつけて作品を作ります。
2018年度は青山学院大学教育人間学部教授 野末俊比古先生、
2019年度は青山学院大学国際政治経済学部教授 羽場久美子先生が優秀賞、部門賞の各賞を選考しました。

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Des journalistes couvrent une course de haies hommes en août 1939 lors du championnat d'athlétisme au stade de Colombes,
avec au fond de la tribune, une publicité pour l'apéritif Dubonnet.(FILM) AFP PHOTO

[2019年度 総評]

審査員 青山学院大学国際政治経済学部教授 羽場久美子
(世界国際関係学会(ISA)アジア太平洋、副会長。グローバル国際関係研究所所長。京都大学客員教授)

フランス・パリの、第1次世界大戦終焉(1918)とパリ講和会議(1919)100年、第2次世界大戦開戦(1939)80年の国際会議から帰国し、十大学国際政治合同セミナーの方々が選んだ1枚1枚を拝読させていただいた。
戦争の20世紀といわれる前世紀が終わってもなお、21世紀にも続く悲劇の現実を感じ、胸が痛む。
現代国際政治経済は、矛盾に満ちており市民は深い憤り、悲しみのふちにある。
しかし人類は、それを是正し、そこから脱出する「未来への展望」の力も常に持っている。
報道写真には、どこにもぶつけようのない深い悲しみとともに、そこからどうしたら抜けられるかの思いにもあふれていた。

■優秀賞 移民セクション「国境を越えて」

目に飛び込んできたのはあまりにも理不尽な現代国際社会の現実であるが、そこからも再構築していくべき未来がある。
そう思い、現実を直視し、かつそこから未来を展望するプラカードを持つ少年や女性たちの一枚を優秀賞に選ばせていただいた。
AFPの素晴らしい写真と皆さんの深い洞察は、すべてを選びたいという思いに駆られるものばかりであった。
これらの写真を拝見する中で、現在の様々な問題を解決し、希望に満ちた未来を主体的に構築するにはどうしたらいいのかを、本気で皆さんに考え実行してほしいと切に考えた。
現実から切り取られた、声や息遣いが聞こえてきそうな写真、またそこから強い責任と平和構築のメッセージを読み取ろうとした若い皆さん一人一人の優れた感性に、心から賞賛を送りたい。優れた写真群を、ありがとうございました。

■部門賞

  • 移民セクション「命を求める子どもたち」
  • 情報社会セクション「日常の併存」
  • 経済格差セクション「今日を生きるために」
  • 環境セクション「飛べない鵜の叫び」
  • 紛争セクション「紛争地からの叫び」

それぞれの写真と選者のキャプションが素晴らしく、一つを選ぶのが申し訳なく、実際には2、3個ずつ選んでしまった。最後に一つに絞ったが、どの写真も選ぶに値する、優れたものでした。
ですので外れても落ち込まないでください! 現実の国際政治経済のあり方を批判的に問う優れた写真を、皆さんの豊かな感性で選んでいただき感謝しています。

ここに選ばれなかった多くの選者の人たちのコメントも非常にレベルが高いものであった。すべての作品に拍手を送りたいが、奨励賞としてさらに以下の写真と選者を掲げておく。
(下線作品は、優秀賞でも言及したもの)

■奨励賞

  • 移民セクション 「祈り」IS、「先行く不安」K
  • 情報社会セクション 「愛する者の情報さえも」浅田大介
  • 経済格差セクション「急成長の陰に生きる」山口紗羅、「Not fateful」熊谷優花
  • 環境セクション「次世代への負の遺産」今井一揮、「私たちのごみ袋のせい、知らなかったではもうだめ」伊藤礼奈
  • 紛争セクション「未来へつなぐ命」高橋芽生、「奪われた日常」Hiki

終わりに全体を通じて、国際政治社会における深い悲しみ、叫びを切り取った報道写真が多かったが、優秀賞作品にみられるように、未来を先取りするような優れた写真や選者の評も、多々見受けられた。
現在繰り広げられている、国際社会の不条理に対して我々がどうかかわっているのか、どうすべきか、を考えようとする真摯な姿勢、十大学の学生さんたちならではの、深く鋭い視点が感じられ、非常に学ぶことの多い企画であった。
ここに選ばれなかった多くの選者の人たちのコメントも非常にレベルが高いものであった。この企画を高く評価し、心より感謝したい。

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十大学合同セミナー応募作品 2019


AFP World Academic Archive(AFPWAA)


AFP World Academic Archive(AFPWAA)はフランス最大の報道機関AFP通信が提供する教育機関向けデータベース・サービスです。世界中に取材拠点を持つAFP通信の1000万枚におよぶ最新のデジタル写真と10万点以上のビデオ動画は、高等教育機関における学習を支援するデジタルコンテンツとして最も適しています。グループワーク、ディスカッション、論文作成、プレゼンテーションなどを行う授業及び研究において、AFPWAAの活用は非常に効果的です。
さらに、AFP通信が提供するコンテンツは著作物二次使用許諾済みで、煩雑な許諾申請など一切不要です。既に20を超える教育機関に正式導入されており、授業のオンデマンド配信、大学公式サイトから配信する公開講座、アクティブラーニング先進事例等において幅広く活用されてきました。

十大学合同セミナー


十大学合同セミナーは今年で46期を迎える学術団体です。1973年に池井優氏(現・慶應義塾大学名誉教授)、宇野重昭氏(現・成蹊大学名誉教授、島根県立大学名誉学長)らが中心となって設立されました。当初は緒方貞子氏(元国連高等弁務官)も指導メンバーの一人として携わっていた伝統ある学術団体です。
早稲田、慶応、明治、法政や津田塾、東京女子大学といった首都圏の様々な大学から参加者が集まり、4~7月の3か月間で共同論文を書き上げます。十大は設立当初からその理念として「学習と交流」を掲げており、学生たちによる議論にも重点を置いています。私たちの生きる国際社会について「大学の垣根を越えた熱い議論の場」を提供し、共同論文を執筆する学術団体です。

[第46期グランドテーマ]
試練の多国間主義 -グローバルイシューにどう立ち向かうのか-


AFP World Academic Archiveは学術団体『十大学合同セミナー』に協賛しています。


[第46期グランドテーマ] 試練の多国間主義 ー グローバルイシューにどう立ち向かうのか ー
[第47期グランドテーマ] グローバリゼーションからの挑戦 ー 主権国家の役割とは何か ー